「フィルムカメラってどんなカメラなの?」
「フィルムカメラが流行っているのはどんな理由なの?」
「フィルムカメラにはどんな種類のものがあるのかを知りたい!」
こちらの記事はこのような疑問などを持たれている方に向けて書いています。
高性能のデジタルカメラが普及している中、昔ながらのフィルムカメラもまた人気がありますよね。
デジタルカメラは被写体をありのままに写す能力に長けていますが、フィルムカメラはフィルム特有の柔らかさなどの味があるため人気があります。
また、フィルムカメラには、カメラ自体の構造やフィルムサイズの違いによってさまざまな種類のものがあります。
こちらの記事では、フィルムカメラの歴史や特徴、流行っている理由、フィルムカメラの種類について紹介しています。
デジタルカメラの種類や仕様については以下の記事をご覧ください。
フィルムカメラの歴史や特徴
フィルムカメラの歴史について見ていきましょう。
現代でも生きているフィルムカメラによる撮影の方法は1839年にフランスの画家によって発明されました。
この撮影方法は「銀板写真法」と呼ばれる方法です。
銀板写真法ではまず、よく磨いた銀メッキ銅板をヨウ化銀で感光させ、これをカメラにセットして露光させます。
露光させただけでは画像は見えないのですが、水銀蒸気中で現像することによって画像が浮かび上がり、浮かび上がった画像を食塩水で定着させるという方法です。
ただし、この方法は観光板自体が写真であったため焼き増しができない方法でした。
その後写真機材は発展を続け、1880年代後半に、連続撮影可能で、保存性が高く落ち運びしやすい写真材料としてモノクロの写真フィルムが確立され、一般流通するようになりました。
写真機材はさらに発展を続け、モノクロフィルムに加えて、1935年にはカラーフィルムが一般流通するようになりました。
1935年に「コダクローム」という35mmフィルムが発売されました
コダクロームは2009年に生産終了を迎えるまでフィルムカメラユーザーに愛され続けました
1940年代には撮影後すぐに写真を手にできるインスタントフィルムも広まり、現代につながるほぼすべての写真機材が出揃いました。
現代でもフィルムカメラが人気の理由は?
1940年代には現在につながるあらかたの撮影機材が出揃っていたフィルムカメラですが、現代においても非常に人気があります。
人気のある年齢層もさまざまで、長くフィルムカメラを愛用されている方もおられれば、10代や20代の若い世代にも人気があります。
正直に言ってしまうと、機能面においては現代のデジタルカメラと比較してフィルムカメラが勝っているところはほとんどありません。
それにもかかわらずフィルムカメラが幅広い世代に愛用されているのは、フィルムカメラでなければ味わえない部分があるためです。
フィルムカメラが現代でも人気がある理由は以下のような面がフィルムカメラにあるためです。
4つの理由について以下で詳細に紹介します
写真に独特の味がある
フィルムカメラで撮影した写真には、フィルム独特の味があります。
以下の写真は筆者が愛用しているフィルムカメラのひとつの、「コニカC35」という機種で撮影した写真です。
フィルム写真ならではの、描写が少しざらざらした感じと、やわらかな印象が特徴的です。
フィルム写真自体の特徴に惹かれるフィルムカメラ愛用者はきっと多いと思います
写真の本質を味わえる
2つ目はやはり写真撮影の本質を味わうことのできる点です。
フィルムをセットしたり、撮影する時に適正露出を見極めたり、撮りきったフィルムを取り出して現像に出したりとフィルムカメラでの撮影にはフィルムカメラならではの動作が必要です。
シャッターひとつとっても、フィルムカメラで撮影するとカメラから機械的な音がしたり小さな振動が伝わったりとフィルムカメラならではの応答を楽しむことができます。
また、フィルム自体にもさまざまな特徴があるため、フィルムによって写真の仕上がりが異なる点もフィルムカメラの面白い点です。
特に適切露出の見極めはフィルムカメラでの撮影の肝ですね
キレイに撮影できたかどうかが現像してみるまで分からないところもフィルム写真ならではです
撮影してから写真を手にするまでの楽しみがある
3つ目はフィルムを撮りきってから実際に写真を手にするまでの楽しみがある点です。
フィルムの現像はヨドバシカメラやカメラのキタムラの他、街の写真屋さんで現像できます。
現像は今では数時間から半日で可能ですが、それでも現像が終わるまで「待つ」必要があるところにフィルム写真ならではの楽しみがあります。
現像が終わった写真を見る時のあのドキドキ感はフィルム写真でしか味わうことはできません
特徴的な機種がある
フィルムカメラには一眼レフカメラやレンジファインダーカメラ、インスタントカメラなどさまざまな種類の機種があります。
また、機種ごとに使用するフィルムサイズも異なります。
コアな領域まで楽しみたい人や、好みのフォルムのカメラを探したい人にとってはフィルムカメラはオススメです。
中古機種の販売店に行くとレトロで素敵なカメラに出会うこともあります
ただし、中古品を購入する際には、カメラの状態や性能に問題が無いことをよく確認するようにしましょう。
フィルムカメラの種類
フィルムカメラの種類をいくつか紹介します。
一眼レフ
一眼レフカメラはレンズの付け替えが出来るところが最大の特徴です。
シーンに合わせてレンズが選べるため、使い慣れたユーザーであればイメージする写真により近い写真を撮影することができます。
マニュアル操作ですべて自分で撮影設定するカメラもあれば、オートで撮影できるカメラもありラインナップが豊富なため、ユーザーの用途に合わせたカメラを選ぶことができます。
コンパクトカメラ
手の小さい人でも扱いやすいコンパクトサイズのカメラです。
カメラ本体が小さく、機能も必要最小限のものが多いため、操作もシンプルで扱いやすいカメラが多いです。
旅行など、荷物が多い時にも持ち運びがラクなカメラです。
レンジファインダー
レンジファインダーカメラは、カメラに内蔵された距離計でピントを合わせるカメラのことです。
カメラ本体には2つの窓が設けられており、それぞれの窓から入った光(像)がファインダーに写り込むようになっていて、この像が重なるところでピントが合うようになっています。
少しクセのあるカメラと感じられるかもしれませんが、このように像を合わせることでしっかりとピントの合った写真をフィルムカメラで撮ることができます。
筆者が愛用しているコニカC35もレンジファインダーカメラです
大判カメラ
大判カメラは、撮像面積が大きい4×5のシートフィルム(「シノゴ」とよばれます)を使用するカメラです。
フィルム面に対するレンズ面の相対位置を変化させて撮影する「アオリ撮影」ができます。
4×5フィルムは、35mmフィルムと比べると、約13倍大きく、豊富な情報量による繊細な表現が可能です。
大きいフィルムならではの高画質・大画面の写真が撮れるため、迫力ある写真撮影ができます。
中判カメラ
一般的な35mmフィルムよりも少し大きめで、フィルム構造が異なる120フィルム、220フィルムを使用するカメラです。
120フィルムや220フィルムを総称してブローニーフィルムとも呼びます。
二眼レフカメラも同様のフィルムを使用します。
35mmフィルムを使うカメラと比べて、一度に撮影できる枚数が少ないのが特徴です。
フィルムの縦幅は6cmのみですが、横幅は4.5~12cmの中から好みに合わせて選べます。
6×6cm判を使用すると正方形の写真撮影も可能です。
「ハッセルブラッド」や「ローライ」など有名機種が多くあるカメラです。
筆者も「ローライコード」という二眼レフカメラを愛用しています
インスタントカメラ
インスタントカメラは、「チェキ」や「ポラロイドカメラ」が該当します。
特にチェキは結婚式などでおなじみのインスタントカメラです。写真にコメントを書いたりして活用されますよね。
インスタントカメラは、カメラにあまり精通していなくとも扱いやすいカメラが多いです。
インスタントカメラと他のカメラとの大きな違いは、インスタントカメラで撮影した写真は焼き増しができないことです。
チェキを例に挙げると、撮影したチェキフィルム自体に写真が浮かび上がるため、他のフィルムカメラのようにネガを現像するといったことができません。
このため、焼き増ししたい場合にはネガフィルムで撮影することをオススメします。
トイカメラ
トイカメラは直訳するとおもちゃのカメラなのですが、実際におもちゃなのではなく、れっきとした撮影機能を持ったおもちゃのようなシンプルなつくりのカメラの総称です。
有名な機種は「ホルガ」やロモグラフィーの「LOMO LC-A+」などがあります。
ロモグラフィーのカメラで撮影した写真は以下のように写真の隅が少し暗くなる特徴があります。
ロモグラフィーのカメラはトイカメラながら雰囲気のある写真を撮ることができます
また、カメラ自体も洗練されていてスタイリッシュであるためファンが多いです
まとめ
- フィルムカメラによる撮影方法の発明は1839年に始まり、1940年代には現代に存在するほぼすべての撮影機材が出揃っていた
- フィルムカメラが現代でも人気の理由は、写真の独特の味、写真の本質を味わえる、写真を手にするまでの楽しみがある、特徴的な機種があることの4つが大きい
- フィルムカメラには撮影方法や使用するフィルムサイズが異なるさまざまなカメラがあり、特徴的な写真を撮ることのできる機種が多い
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