「心配事がたくさんあって気分が落ちつかずになかなか眠れない」
「いざ眠ろうとすると過去の出来事を思い出して怒りや悲しみの感情が浮かんできて眠れない」
こちらの記事はそのような悩みをお持ちの方に向けて書いています。
入眠時に浮かんでくる心配事などによる寝付きの悪さを緩和するポイント(結論)は以下の2点です。
布団に入っていざ眠ろうとすると、仕事や人間関係の心配事が思い浮かんでいて落ちつかない気持ちになったり、過去の出来事を思い出して怒りや悲しみの感情が浮かんできて眠れなくなったりした経験はないでしょうか。
例えば仕事上の心配事であれば、
「自分がまとめ役になっている明日の会議の議題に上がっている○○のテーマについて、会議の中できちんと方針が定まるだろうか…」
人間関係の心配事や悲しみであれば、
「私がコンプレックスを感じていることに対して今日△△さんが遠慮なくした××の発言に、つい感情的になって厳しい口調で言い返してしまった。言い返してしまった私も良くないけど、そもそもなぜあんなひどいことを言われなければならなかったのだろうか…」
など、人によって浮かんでくる心配事や感情はさまざまだと思います。
筆者も、眠ろうとすると頭に浮かんでくる仕事上の心配事や、過去の悔しかった出来事、悲しかった出来事を思い出し、深く考え込んでしまってなかなか眠れないといったことが昔はよくありました。
今でもたまに、眠る前に心配事やいろいろな感情が浮かんでくることはありますが、浮かび上がってくる考えや心配事に昔ほど悩まされることは無くなりました。
こちらの記事では、眠ろうとしたときに頭に浮かんでくる心配事、怒りや悲しみ等の感情が原因で眠れなくなってしまう状態を和らげるための、心の持ち方や考え方について紹介します。
眠ろうとするとなぜ心配事や感情が浮かび上がってくるのか
人は一日当たり60,000回の思考をしていると言われています。
その思考の内容はポジティブなものからネガティブなものまでさまざまです。
60,000回の思考の中には、意識的にしている思考と、無意識的に(潜在的に)している思考があり、無意識的な思考は自分の意志では停止させることができません。
眠ろうとする時には、意識的な思考(能動的な思考)は停止させていても、無意識的な思考は停止されずに継続されます。
就寝時はあらゆる活動を停止しているため、継続される無意識的な思考に対して意識がより向きやすいことから、無意識的な思考によって自然に浮かび上がってくる思考に悩まされることになります。
つまり、眠ろうとする際に思考が浮かび上がってくるというよりは、潜在的な思考自体はいつもされていて、いざ眠る時にそこに意識が向くために、思考が浮かび上がってきたように感じられるのです。
就寝時に潜在的な思考が浮かんできた際のNG対応
「心配事が頭に浮かんでくるけど、明日も仕事だから早く眠らないといけない!」
「怒りや悲しみの感情が頭から離れないけど、早朝から家事をするために早く眠らなきゃ!」
翌日のことを考えると早く眠りたいと考えるのはごく自然なことですが、潜在的な思考が浮かんできた際に「早く眠らなきゃいけない」と考えてしまうのはNGです。
入眠時はリラックス状態(副交感神経が優位な状態)である必要がありますが、一刻も早く眠らないといけないという思いがあると、リラックス出来ずに緊張状態(交感神経が優位な状態)になりかねません。
また、眠ることを強く意識するあまり、潜在的な思考により意識が向けられてしまい、入眠を妨げることにつながってしまいます。
潜在的な思考によって入眠が妨げられないための心の持ち方や考え方
浮かんでくる思考に対してすぐに反応しない
就寝時に意識が向きやすい潜在的な思考によって入眠が妨げられないようにするためには、潜在的な思考によって浮かび上がる心配事や怒り、悲しみ等の感情にすぐに反応しないようにすることが有効です。
浮かび上がってくる思考そのものと、自分自身とはそれぞれ別個のものであると考え、思考とは適切に距離をとることが大切です。
浮かんでくる思考とうまく付きあうためには常日頃からの”RAIN”が有効
就寝時に浮かんでくる思考とうまく付き合い、入眠が妨げられることを防止するためには、常日頃から”RAIN”を意識することが大切です。
”RAIN” とはマインドフルネス瞑想の一つであり、Recognize(認識する)、Accept(受け入れる)、Investigate(調査する)、No Identification(自分そのものではない、距離をとる)の頭文字を表しており、以下のステップで取り組む瞑想です。
Recognize(認識する)
自分の中に心配事や怒りが浮かんできた際に、浮かんできた対象に対してごまかすのではなく認識します。
自分の中でどのような思考が浮かんでいるか、どのような感情や考え、感覚が浮かんでいるのかを観察し、認識します。
Accept(受け入れる)
自分の中に浮かび上がってくる心配事や怒りを認識したら、修正したりせず、対象に対して良し悪しの評価をせずにありのまま受け入れます。
ありのまま受け入れることで気持ちが楽になり、落ち着きます。
Investigate(調査する)
浮かび上がった心配事や怒りを認識し、受け入れると、自分自身の心や身体にどのような変化が起きているのかに意識を向け、対象の心配事や怒りが浮かび上がってきた理由を調査することに集中します。
呼吸の深さや速さはどうか。身体の中で緊張している部分はあるか。手足の感覚はどうか。汗はかいているか等、身体の感覚や感覚の背後にある考えを調査し、原因を探ります。
このとき、 心配事や怒りの元となった人の発言や態度には意識を向けないでください。
あくまで自分自身の心や体に意識を向けてください(重要です)。
No Identification(自分そのものではない、距離をとる)
浮かび上がってくる心配事や怒りは自分自身ではなく、別個のものと考えます(同一視しない)。
心配事や怒りに対して自分事としてすぐさま反応するのではなく、心配事が浮かんだら
「○○のことが心配なんだね」
怒りの感情が浮かんだら
「コンプレックスを感じている△△と言われたことに対して怒っているんだね」
と客観的になることで、浮かんでくる思考に心や感情を支配されずに済み、浮かんでくる思考に対して冷静に対処できるようになります。
”RAIN”の姿勢を常日頃から意識することによって、いざ思考が浮かび上がってきた際に冷静対処でき、寝つきの悪さを緩和することが出来ます。
マインドフルネス瞑想についてもう少し詳しく知りたい!という方には以下の書籍がオススメです。
瞑想時の心のあり方や瞑想の取り組み方について詳しく説明されていて、毎日10分で手軽にできる瞑想方法も具体的に紹介されているため分かりやすいです。
筆者もこの書籍で瞑想について学びました
まとめ
- 入眠時に浮かんでくる過去の出来事や心配事は無意識的(潜在的)な思考が原因
- 無意識的(潜在的)な思考は止めることが出来ない
- 就寝時に浮かんでくる潜在的な思考により生まれる心配事や感情に対してすぐに反応しない
- 常日頃から”RAIN”の姿勢を心がけ、就寝時に浮かび上がる無意識的(潜在的)な思考に備えることで寝つきの悪さを緩和することが大切
寝つきに重要な睡眠ホルモン「メラトニン」の役割については以下の記事をご覧ください。
快眠するのに適した寝室環境については以下の記事をご覧ください。
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