「焚き火をした後の片付けはどのようにすると良いの?」
「焚き火の後片付けを安全にするための手順を知りたい!」
こちらの記事はこのような疑問や要望をお持ちの方に向けて書いています。
キャンプの主なイベントのひとつは何といっても「焚き火」ではないでしょうか。
焚き火は、キャンプでの調理の熱源や寒い時期に暖をとるのに活躍します。
また、キャンプ中に焚き火を眺めていると、非常にリラックスすることができます。
焚き火をしていると、キャンプをしていることをより実感することができますよね
キャンプの主要イベントのひとつである焚き火ですが、キャンプを始めて間もない方が、焚き火に関することで悩まれることのひとつは、焚き火の「後片付け」です。
焚き火をしている時自体は楽しいのですが、キャンプに慣れないうちは、焚き火の後片付けをどのようにすると良いのかが分かりにくいです。
また、焚き火の後片付けでは、炎の後始末をしてから焚き火台等の道具を後片付ける必要があるため、ある程度時間を要します。
キャンプ場では、クワイエットタイム(明かりと音量を落として静かに過ごす時間)やチェックアウトの時刻等が定められているため、時間を守って楽しむためには、焚き火を終了する時刻から時間を逆算して安全に焚き火の後片付けをする必要があります。
焚き火の後片付けに要する時間を見積もるためには、焚き火の後片付けの手順を把握しておく必要があります。
そこでこちらの記事では、焚き火の後片付けを安全にするための手順を5つのステップで詳しく解説します。
季節を選ばず1年を通してキャンプに行く筆者が、これまでのキャンプでの焚き火の後片付けの経験を踏まえて詳しく解説します
焚き火のやり方の手順については以下の記事をご覧ください。
結論(焚き火の安全な後片付け手順を5つのステップで解説)
先に結論を記載します。
焚き火の安全な後片付けの手順(5つのステップ)は以下のとおりです。
以降で詳細を解説します!
焚き火の後片付けが重要な理由を解説
焚き火の後片付けの手順を解説する前に、そもそも焚き火の片付けがなぜ重要なのか、きちんと片付けをしないとどのような影響があるのかを本章では解説します。
焚き火の後後片付けが重要な理由は以下のとおりです。
火災発生の危険性があるため
焚き火の片付けの中でも安全上重要なポイントに、炎の始末があります。
例えば夜に焚き火をして、炎の始末をきちんとせずに眠ってしまうと、眠っている間に火の粉が飛んで近くのものに燃え移る可能性があります。
燃え移った先が森の枯れ木等であった場合は非常に危険です
最悪の場合は山火事にのおそれも…
乾燥した時期は特に燃焼が促進されやすいため、確実に炎の後始末をする必要があります。
炎が弱まっても薪の内部では完全に火が消えていないことがよくあるため、薪はできるだけ燃やし切り、火が完全に消えるまでしっかりと見届けることが大切です。
キャンプ場の景観が損なわれるため
焚き火では、燃焼の過程で木くずや炭が弾けて飛ぶことがよくあります。
飛び散った木くずや炭をそのままにしてしまうと、キャンプ場の景観を損ない、次にそのサイトを利用される方やキャンプ場の管理者さんにも迷惑をかけてしまいます。
キャンプ場はみんなで利用する場所なので、飛び散った木くずや炭はきちんと片付けることが大切です。
気分よく居心地よく過ごすためにも木くずや炭は必ず片付けましょう
環境への悪影響を与えるおそれがあるため
焚き火で燃え残った炭や灰をキャンプ場の地面に放置すると、環境に悪影響を与えるおそれがあります。
燃え残った炭や灰は、もともとの木(薪)から変質してしまっており、分解されないため土に還ることはありません。
分解されずに土の中にそのまま残り続けるため、燃え残った炭や灰をキャンプ場の地面に放置してしまうと環境に悪影響を与えるおそれがあります。
このため、燃え残った炭や灰はきちんと片付けることが大切です。
炭や灰はキャンプ場の所定の灰捨て場へ捨てましょう
焚き火台を傷めるおそれがあるため
焚き火が終わった後は焚き火台を拭いて綺麗にしましょう。
焚き火台はステンレス製のものが多いですが、何かの拍子に焚き火台にキズがつき、キズがついた部分に汚れが溜まったまま放置してしまうと、そこから錆びてしまうおそれがあります。
せっかくの焚き火台が錆びて使えなくなってしまうのはもったいないです。
このため、焚き火の後片付けで焚き火台をきちんと手入れすることが大切です。
焚き火の後片付けにおける注意ポイント(禁止事項)を紹介
ここまで焚き火の片付けの重要性について解説したところで、本章では焚き火の後片付け時の注意ポイントをご紹介します。
作業を安全に進めるためにも、焚き火の後片付け時にはいくつか注意ポイント(禁止事項)があります。
焚き火の後片付け時の注意ポイント(禁止事項)は以下のとおりです。
火が完全に消えていないところに水をかけない
片付けを急ぐために、火が完全に消えていないところに水をかけて消火するのは非常に危険な行為なので絶対にやめましょう。
火が消えていないところに水をかけると、水が急激に熱せられて高温の水蒸気となって舞い上がり、水蒸気によって火傷するおそれがあります。
また、焚き火台に水がかかってしまうと、焚き火で熱くなった焚き火台が急激に冷やされることにより、焚き火が歪んでしまうことがあります。
安全上の観点からも、焚き火台保護の観点からも、水をかけるのはやめましょう
就寝時刻やチェックアウト時刻から薪を燃やし切る時間を逆算し、計画的に焚き火の片付けに取り掛かりましょう。
キャンプ場の炊事場では焚き火台を洗わない
キャンプ場の炊事場で焚き火台を洗うのはやめましょう。
炊事場の洗い場エリアは食器類や食材を洗う場所です。
炊事場で焚き火台を洗ってしまうと、炊事場を汚してしまう他、炭や灰で排水溝を詰まらせてしまうおそれもあります。
焚き火台をどうしても洗いたい場合は、自宅の屋外等で洗うようにし、キャンプ場の炊事場では洗わないようにしましょう。
薪を燃やし切るために着火剤を途中で入れない
焚き火の後片付けをするために、着火剤等を活用して炎を大きくし、薪を早く燃やし切りたいと感じることがあると思います。
ところが、焚き火で薪を燃やし切るために、火が着いているところに着火剤を追加するのは非常に危険な行為なので絶対にやめましょう。
火が着いているところに着火剤を入れると、炎が一気に燃え上がります。
瞬時に大きくなった炎により火傷をするおそれがあるため、火が着いているところに着火剤を入れるのは絶対にやめましょう。
燃え切らなかった薪を土に埋めたり地面に放置しない
燃え切らなかった薪を土に埋めたり、地面に放置することも禁止事項のひとつです。
前章にて紹介したとおり、炭や灰を土に埋めたり地面に放置しても、炭や灰は分解されないため、残り続けます。
このため、炭や灰を土に埋めたり地面に放置することは環境へ悪影響を与えるおそれがあることから、土に埋めたり地面に放置することはやめましょう。
火を着けたまま寝ない(必ず消火してから寝る)
焚き火を夜に楽しんで、焚き火台の片付けを翌日にする場合であっても、火の後始末や炭・灰の始末は寝る前に必ず済ませましょう。
火の後始末や炭・灰の始末をせずに眠ってしまうと、万一就寝後に火の粉が付近に飛び燃え移った場合に対処できなくなるため大変危険です。
万一火事になってしまった場合は、自分自身のみならず他のキャンパーさんやキャンプ場の管理者さんも危険に晒すことになります
このため、火の後始末と炭・灰の始末は眠る前に済ませましょう。
焚き火の安全な後片付け手順を5つのステップで解説!
ここまで解説した焚き火の後片付けが重要な理由や、後片付けでの注意ポイント(禁止事項)を踏まえて、本章ではいよいよ、焚き火の安全な後片付けの手順を5つのステップで解説します。
焚き火の安全な後片付けの手順(5つのステップ)は以下のとおりです。
【STEP1】薪を燃やし切る(灰になるまで燃やし切る)
焚き火の片付けは、薪をきちんと燃やし切るところから始まります。
薪をきちんと燃やし切らないと、灰として捨てることができないため、灰になるまでしっかりと燃やし切ることが大切です。
薪の燃焼している部分にしっかりと空気が行き届いていることを確認しながら薪を燃やし切りましょう。
早く燃やし切るために、火が着いているところに着火剤を入れるのは非常に危険なのでやめましょう
【STEP2】燃やし切ったら焚き火台が冷めるのを待つ
薪を燃やし切ってすぐの焚き火台は非常に熱くなっているため、このまま持ち運ぶのは非常に危険です。
このため、燃やし切ったら焚き火台が冷めるのを待ちましょう。
早く冷ますために焚き火台に水をかけたりすると、蒸気が発生してやけどのおそれがあるため、自然冷却で冷めるのを待ちましょう
【STEP3】炭や灰をキャンプ場内の所定の場所へ捨てる
焚き火台が冷めたら、炭や灰をキャンプ場内の所定の場所へ捨てましょう。
また、火傷を予防するために、焚き火台を持ち運ぶ際は耐熱グローブを着用しましょう。
また、灰を土に埋めたり地面に放置すると環境へ悪影響を与えるおそれがあるため、灰をキャンプサイトに捨てることはやめましょう。
キャンプ場のマナーを守って、焚き火の灰は所定の場所に捨てましょう
キャンプで守るべきマナーについては以下の記事をご覧ください。
【STEP4】焚き火台や焚き火シートの汚れを拭き取る
灰を捨て終わったら、焚き火台や焚き火シートの汚れを拭き取りましょう。
特に、焚き火台の汚れを放置してしまうと錆びの原因になるため、使い終わった焚き火台はきちんと汚れを拭き取りましょう。
また、焚き火の道具の汚れを放置すると、焚き火道具を持って帰る途中に車内を汚してしまったり、持って帰ってから家の中を汚してしまうおそれがあります。
このため、キャンプ場でしっかりと汚れを拭き取ってから持ち帰りましょう。
焚き火台はキャンプ場の炊事場では洗わず、拭き取って綺麗にしましょう!
【STEP5】焚き火台や焚き火道具を片付ける
焚き火台や焚き火シート等の汚れを拭き終わったら、焚き火の道具一式を片付けましょう。
片付け忘れたものがないかよく確認し、道具一式の片付けが終わったら焚き火の後片付けは完了です。
慣れないうちは時間に余裕を持って焚き火の後片付けをしましょう!
焚き火の後片付けを少しでも簡単にする方法を紹介
ここまで、焚き火の後片付けの手順を解説してきました。
焚き火の後片付けはそれなりに手間や時間がかかりますが、焚き火の後片付けに必要な手間や時間が少しでも少なくなれば、焚き火をより手軽に楽しむことができます。
そこで本章では、焚き火の後片付けを簡単にするため方法をご紹介します。
焚き火の後片付けを簡単にする方法は以下のとおりです。
あらかじめ焚き火台にアルミホイルを敷いておく
焚き火をする前に、あらかじめ焚き火台にアルミホイルを敷いておくと後片付けが非常にラクになります。
薪を置くところにあらかじめアルミホイルを敷いておくことで、焚き火台を汚すことなく焚き火を楽しむことができます。
また、灰を片付ける際も、取り外したアルミホイルごと灰を捨てることができるため、片付けが非常にラクになります。
火ばさみや火吹き棒を活用して薪の燃焼を早める
薪を燃やし切るのに時間がかかる時は、火ばさみを活用して、適時薪が空気に触れやすい配置にしましょう。
燃焼に必要な要素は、「可燃物(薪)」、「支燃物(酸素)」、「火種や熱源」です。
このため、薪の燃焼を促進させるためには、燃えている部分へ酸素を安定的に供給する必要があります。
ところが、薪同士が重なってしまうと、重なってしまった部分へは酸素が十分に供給されないため、燃焼が阻害されてしまいます。
このため、火ばさみを使って薪を動かして、薪が空気に触れやすい配置を維持し、酸素を安定的に供給することで薪の燃焼を早めましょう。
また、火吹き棒を活用して燃焼部へ空気を直接送り込むことも、薪の燃焼を早めるには効果的です。
強制的に空気を送り込むことで薪の燃焼を早めましょう。
火消し壺や火消し袋を活用して薪の火を消火する
薪を燃やし切ることが焚き火の後片付けの大前提ですが、時間の関係等でどうしても燃やし切れない場合は薪を強制的に消化して持ち帰る必要があります。
とはいえ、水をかけて消火するのは非常に危険なため、消火に水を使うことはオススメできません。
そこで活躍するのが火消し壺や火消し袋です。
火消し壺や火消し袋の中に火が消え切っていない薪を入れ、空気を遮断することで、薪の燃焼を終わらせることができます。
薪の取り扱いのしやすさ(薪の入れやすさ)は火消し壺に軍配が上がりますが、荷物のボリュームを少しでも抑えたい場合は、火消し袋がオススメです。
車等への荷物の積載可能量を踏まえて、火消し壺か火消し袋かを使い分けましょう。
まとめ
焚き火の安全な後片付けの手順(5つのステップ)は以下のとおり。
本記事が焚き火の後片付けでお悩みの方の参考になれば幸いです
焚き火以外のキャンプの後片付けについては以下の記事もご覧ください。
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